累を観てきたよ

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ジャン!(パンフレットを撮ったら虹色になった)

 

観てきたよ!横山さんのキッスシーンが見たいなあと思ってさ笑

ちなみに原作未読。

映画は普段観ないので、映画館に行ったの自体がおよそ3年ぶりくらい。

 

………………

 

めっちゃくちゃ面白かった!!!!

累の直後にもう1本別の映画を観たんだけど、その間もしばらくAimerさんの主題歌が頭から離れなかったくらい。面白かった余韻、良いお歌!

 

土屋太鳳ちゃん…本当に本当に演技が素晴らしい。一体この方はいくつの顔を持っているの??一挙一動が美しく、時に醜く、とにかく引き込まれた。狂気を感じるシーンなんかもう最高。

芳根京子さん…太鳳ちゃんと同じく2役を演じきっていて本当に素晴らしかった。劣等感を持った累の弱々しいながらも力強さのある喋りが印象的だった。ただの声の小さい弱い人じゃないの。あと横顔が綺麗で素敵だった。

よこちょ…黙ってらっしゃる時の、空気感がとにかくやばかった(語彙力は死んだ)。何考えてるのか分からない、独特の空気…美しいお肌…あっコレは違う話になってきてしまいそう(^^;) よく分からないけどずっと見ていたくなる。これは累とニナの取り合いにもなるよな〜

 

土屋さん芳根さん、共に宣伝でバラエティで出まくっているのを見たとき「カワイイ2人組ね〜」くらいに思ってた。確かにカワイかったけど、度肝を抜かれた思いだ。ギャップがすごいなあ。女優さんだもんなあ。

 

 

ここから先、内容に触れてお話します!ネタバレ注意

 

 

 

芳根京子だと綺麗すぎる?

率直に、何なら公開前から思ってたことです。軽く原作の内容を調べてみたっけ「累は自身のひどい容姿に劣等感を抱いている」ということだったんだけど、単純に思うじゃない、芳根京子さん顔立ちが整ってて相当の美人さんだよ。それが顔に傷があったくらいで…

累の場合、母親が大女優なもんだから顔に傷があることは一般ピーよりもコンプレックスになるかもしれないね。何なら傷がない綺麗な顔でも、例えば少し顔立ちが整っていないだけで母親より「劣っている」ことがつきまとってしまう。

 

映画の後半に、累の顔の傷は生まれつきではないことが分かります。

累は小学生の頃からいじめられていたが、学芸会の主役になりたくて主役の女の子と例の口づけを交わし、顔を交換します。その主役の女の子というのも累にひどいことを言ってくるんだけど、「あんたはいらない」とか何とか(うろ覚え)

その後に屋上で取っ組み合いになり、その時主役の女の子が持っていたカッターで累の顔にあの大きな傷がついてしまいます。

つまり…その事件までは累は綺麗な顔をしていたわけだ。累の子役の子も何てことないかわいい子だったと思う。強いて言えば地味め?くらいの。

 

だから「ひどい容姿」と自他共に言われていることに引っかかりがあった。しかし少し考えて、「元の顔立ちが綺麗かブサイクかはさほど問題じゃない」のかな???と思った。

先ほども言ったが芳根京子は美しい。特に横顔が素敵…というのは累は鬱陶しい髪をしていて顔が隠されがちであり、特に横顔がほとんど見えない。その少しだけ垣間見える横顔が相当綺麗なのだ。

 

でも、累は醜い。さっきまで「綺麗」と言っておいてどっちだよ!って話だね。

 

映画終盤でニナが言う。「私は中身まで醜いあなたとは違う」

(←どの口が言ってんの笑 となったが…)

 

ひどい容姿と言われる中にも華があることで、中身の醜さが際立っていたと思う。

劣等感で歪んでしまった自尊心

目的のためにどんな手段でも使うこと

他人の人生を乗っ取ることへの抵抗の無さ…

 

累の内に秘める狂気は、きっと容姿が「醜いだけ」の人ではここまで表せなかったのかな、と考える。もちろん、芳根さんの演技力が相まっての話だが。

 

また、累の容姿の件でもう一つ気になった点はニナの母親。累の小学校のクラスメイトや累の親戚の人、累の顔を見た街の人は少なからず気味悪がったり何かしらの反応をしていました。しかしニナの母親は累の顔を初めて見た時に傷について触れてくるどころか顔色ひとつ変えませんでした。

残念ながら、劇中でそんな人物は唯一ニナの母親だけかもしれない。もっとしっかり内容を確かめたらもっといるかもしれないし、モブも含めたらもっといると思いたい。

ニナも羽生田も、累の容姿に言いたい放題だからそれがデフォルト…と思わせられそうになるけど、まず人を傷つける言葉を平気で言える人ってその程度の人だよね。一言で言っちゃうとクズの方々。例え事実だと思った所で、そう簡単に何でもかんでも口にするものではない。

つまり…?改めて登場人物はクズばかりだなと思ってしまった笑 次の項目に続く。

 

 

○みんな醜い

みんなクズです。

人の容姿のことであんなに集中攻撃される様というのは私はあまり親しみがなく、非現実性さえ感じる。

しかし、「クズ…人間ゆえに」と考えると途端に親しみを感じてしまう。

 

主要人物の皆さん、自分の事しか考えていない。自分が満たされれば誰がどうなろうと知ったこっちゃない感じ。

そんな人たちのいわゆる「ドロドロ」なドラマを見せられると普段は腹が立ったり胸糞悪い思いをするものだけど、今回は不思議と全くそれがない。むしろ清々しくて仕方ない。

 

はて、何で…?と考えると分からない。だけど、1つ言えることはみんながみんななりふり構っていなかったかな。もう「よく見られたい」という思いを捨て去っていて清々しかった。それだけに累、ニナ、羽生田、それぞれの望みが強い。

 

累とニナが烏合を取り合って攻防する展開も魅力的だった。女の嫉妬する様を見て「気持ち良さ」を覚えたのは初めてだ。ニナが喜び狂う様、累が悲しみで嗚咽をもらす姿、とても美しかった。本当に不思議な感覚。どちらに加担するでもなく、各々の姿を心地よく傍観していたような気持ち。

 

この謎の気持ち良さに加えて、話の劇的な展開とテンポの良さで上映の2時間はあっという間だった。ずっと彼女たちを見ていたい、とさえ思えた。

 

 

○原作も見たい

これは原作ありきのものを映画化したもの全てに当てはまると思う。限られた時間にどうやって膨大な物語や設定を詰め込み、かつ映画で1つの作品として独立させられるか。

どうしても終盤がドタバタドタバタ!と展開が進んだ印象がある。特にニナが大怪我した時の羽生田の心情、その後どう心が動いたかが私には分かりづらかった。

全体的に話のテンポが良かった分、シーンとシーンの間に端折られた何かしらのシーンがあったのでないか?と思うところもチラホラ。

だから、観終わった後にものすごく原作を読んでみたくなった!そもそもの内容が面白かったので、尚更。漫画ではどんな表現になってるんだろう??

 

 

 

「累」

ドキドキが止まらない、面白い映画でした!是非!!(^ ^)